メルマガ起業相談

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NPOあつぎみらい21のメールマガジン「メルマガ起業セミナー」に寄稿しました。

伊豫田 中小企業診断士事務所が寄稿したビジネスコラム


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起業仲間との方向性について


 

▼(Question)起業仲間との方向性について(NSEPさん)

 昨年仲間と一緒に3人で起業しました。3人とも本業があり、主に土曜日・日曜日で活動しておりますが、仲間との方向性がまとまらず、具体的な成果が出せておりません。
 委託契約で営業と技術者を雇っておりますが、方向性がまとまらないため、営業がほとんど進まない現状です。このままでは何の結果も出せず終わってしまいそうです。方向性をまとめるには、どのような手順をふめばよいでしょうか?

 

▼(Answer)起業は目的を達成する為の「手段」です。

 複数人数で起業をした場合、方向性の問題は起こりやすいものです。NSEPさんの質問は、実は複数で起業した場合に起こりがちな事象なのです。
 3人とも本業を持ちつつ起業をするというのは、この不安定な時代にとって、創業時の「資金リスク」を低減させる良い方法です。しかし、反対に捉えると「誰もリスクを取りたがらない」ので、まとまらない原因は全員が「自分に不利となる方向に進もうとしない」のではないかと考えられます。

 方向がまとまらないと言う事ですが、3人は何のために起業したのでしょうか?
冒頭の通り起業は「手段」です。何処かに目的を忘れてしまったか、或いは起業する事が目的になってしまい、その先は何も考えていなかったのかも知れません。

 また、営業と技術者というビジネスの主活動をすべて委託して雇用しているとのことですが、そのような「リスク」を取りたがらない経営者に信じて付いてゆく社員がどのような気持ちでいるのでしょうか?
     ・・・3人とも本業が会社員なら、似た経験を持っていると思います。

さて質問をいただいた、“方向性をまとめる”を実現する手順ですが。

  1.3人が別個に何をしたいのかを簡潔な文章にまとめます。
  2.それを持ち寄って、互いに共通の部分を確認します。
  3.最後に相容れない部分の調整を図ります。

 その後3人の共通事項をまとめ「企業の理念」として従業員と共有する事です。
もし共通する部分が無い場合は、起業が目的であったと看做し、残念ですが早い段階でメンバーの変更や廃業も含めて考え直すことをお勧めします。

 

▼そして企業が前進するために。

 無事に理念がまとまったら、営業が進んでいないと言う事ですので、さらに次のアクションとして、事業計画づくりにチャレンジしましょう。

  1.理念に沿って2~3年後のあるべき姿を決める。(売上高や利益など)
  2.お客様を想定し、どの様なサービスを提供するか再考する。
  3.委託社員が働きがいのある事業の在り方を考える。

 働きがいのある事業の在り方として、今後も委託社員に依存するスタイルを継続するのであれば、社員が自由な自己実現やキャリアのステップアップが出来るような「器」としての会社を目指しても良いのではないでしょうか。ポイントは既存企業が持つ事業スタイルに囚われない事です。

NSEPさん、営業が進まないといつまでも収益は上がりません。
            早期に解決して、実行あるのみです。頑張って下さい。